交際費の範囲と限度
個人事業主さんあるいは会社の社長さん(以下社長さんという。)からよく質問される。
結論から言うと「収益のために本当に必要な交際費ならいくら使っていただいても結構です。」だ。
そもそも経営的にはある現金以上に経費を使うことは不可能だ。「ない袖は振れぬ。」
一方、税務的には個人事業の場合には量的制限はない。一方、法人においては期末資本金が1億円以下の法人の場合は定額控除限度額800万円か接待飲食費の額の50%のいずれか大きい額が損金算入される。多くの場合800万円が限度額になる。
一方、質的に事業と関係のない個人的な支出は当然、経費としては認められない。
また、事業と関係があるか否かは、まずは、自分が決めることだ。それが申告納税制度の本旨だ。
つまり、自分が事業と関係があると考える経費であれば、たとえ、接待交際費であっても経費として申告することが当然のことだ。
しかし、申告するということと、それが税務署に認められるかどうかは別のことで、経費として認められるかどうかは税務調査があって、そのとき社長が経費と事業との関係性をいかに説明できるかどうか、また、税務署がどう考えるかにかかっている。
そして侃侃諤諤、喧喧囂囂、議論したうえでそれでも納得いかなければ税務署に更正してもらって、次に国税不服審判所に不服申し立て、裁決、それでも不服なら裁判という流れだ。
私は不服および裁判の経験をしたことがない。したいと思ったことはあったが、税務署に言われると大概の方は、「先生、税務署のいう線でまとめてください。」ということになる。
ちょっと残念な気がする。