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税金における時効

税金 時効

通常、法人の調査がある場合、事務所への税務署からの電話から始まる。社長と私で日程調整し、税務署と日程調整し、決まった日に立ち合いということになる。2日間の予定ということが多い。

 

通常税務署から資料の提供を要求される期間は過去3年間。

 

初日の半日は、業務の概要について、社長や経理担当者にインタービューされる。午後からは売上、原価について検討される。2日目は経費、消費税、人件費、源泉、印紙税について検討する。最後に問題点等について、私と社長に通告がある。というのが一連の流れだ。

 

たいていの場合は2日で終わるということはなく、資料を税務署に持ち帰って検討、あるいは税務署内で検討し、さらに社長の意見や私の意見を述べたうえで修正申告、あるいは是認ということになる。更正されるということは法的には予定されているが、実務的には少数派だと思う。

 

ここで注意すべきところはもし脱税が発覚した場合でも、税務署として更正あるいは決定できる期間は7年間である。

 

逆に言えば、7年より前の事項については、不問に付すということになる。このことは納税者にとって、かなり重要なことだ。

 

特に贈与について、重要だ。贈与税についても税務署は7年より前の事項については更正決定できない。

 

有名な裁決事例に公正証書を作成してから7年以上経過した後に、不動産登記し、贈与税の申告をしなかったという事件がある。つまり納税者としては公正証書を作成した日に贈与したという主張である。

 

事件の概要は以下の通り。

昭和60年3月14日父は子に不動産約1億7千万円の物件を贈与する旨の公正証書を作成した。平成5年12月13日所有権移転登記をした。平成6年子は贈与税の申告書を提出しなかった。平成7年7月5日付で原処分庁(税務署あるいは国税局)は贈与税約1億円及び無申告加算税約1千6百万円を課す決定処分した。これを不服として子は国税不服審判所に不服を申し出た。

 

裁決判断の要点

税務上の不動産の所有権の移転の時期は登記の時期である。ゆえに決定できる期間は平成5年12月13日を起点とする。結局、決定処分は適法と認められる。

 

結局正義は守られた感はあるが、いろいろなことを考える人がいるもんだ。