私立学校法上の評議員会の職務
評議員会の職務は私立学校法(以下私学法という。)第38条4項、第41条5項、第42条、第43条、第44条の2④項、第46条、第50条1項1号に定められている。
私学法第38条4項
「監事は、評議員会の同意を得て、理事長が選任する。」
私学法第41条5項
「理事長は、評議員総数の3分の1以上の評議員から会議に付議すべき事項を示して評議員会の招集を請求された場合には、その請求のあつた日から20日以内に、 これを招集しなければならない。」
私学法第42条は理事長があらかじめ評議員会の意見を聴かなければならない事項を定めている。
- 予算及び事業計画
- 事業中期計画
- 借入金及び重要な資産の処分
- 役員報酬等の支給基準
- 寄付行為の変更
- 合併
- 解散
- 収益事業
- 寄付行為規定事項
私学法第43条
「評議員会は、学校法人の業務若しくは財産の状況又は役員の業務執行の状況について、役員に対して意見を述べ、若しくはその諮問に答え、又は役員から報 告を徴することができる。」
私学法第44条の2④項で準用する一般社団財団法人法第112条
「学校法人に対する役員等※1の損害賠償責任は、総評議員の同意がなければ、免除することがで きない。」
※1役員等は理事、監事、会計監査人である。
私学法第44条の2④項で準用する一般社団財団法人法第113条1項、2項
「前条の規定にかかわらず、学校法人に対する役員等の損害賠償責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、一定の額を限度として、評議員会の決議によって免除することができる。
2前項の場合には、理事は、同項の評議員会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
- 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額
- 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠
- 責任を免除すべき理由及び免除額」
私学法第44条の2④項で準用する一般社団財団法人法第113条4項
「第 1 項の決議があった場合において、学校法人が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他 の文部科学省令で定める財産上の利益を与えるときは、評議員会の承認を受けなければならない。」
私学法第44条の2④項で準用する一般社団財団法人法第114条1項
「第112条の規定にかかわらず、学校法人(理事が2人以上ある場合に限る。)は、学校法人に対する役員等の損害賠償責任について、役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合 において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第1項の規定により免除することができる額を限度として理事会の決議 によって免除することができる旨を寄附行為で定めることができる。※1」
※1できる規定である。
私学法44条の2④項で準用する一般社団財団法人法第114条3項~5項
「3 第 1 項の規定による寄附行為の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の理事会の決議を行ったときは、理事は、遅滞なく、前条第2項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を評議員に通知しなければならない。ただし、当該期間は、1箇月を下ることができない。
4総評議員(前項の責任を負う役員であるものを除く。)の議決権の10分の1(これを下回る割合を寄付行為で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する評議員が同項の期間内に同項の異議を述べたときは、学校法人は、第一項の規定による寄付行為に基づく免除をしてはならない。
5前条第四項の規定は、第1項の規定による寄付行為の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。」
私学法第44条の2④項で準用する一般社団財団法第115条1項、4項、5項
「第112条の規定にかかわらず、学校法人は、理事(業務執行理事(理事長、理事長以外の 理事であって寄附行為の定めるところにより理事長を補佐して学校法人の業務を掌理する理事とし て選定されたもの及び当該学校法人の業務を執行したその他の理事をいう。次項において同じ。)又は当該学校法人の職員でないものに限る。)又は監事若しくは会計監査人(以下この条「非業務執行理事等」という。)の学校法人に対する非業務執行理事等の損害賠償責任について、当該非業務執行理事等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、寄附行為で定めた額の範囲内であらかじめ学校法人が定めた額と一定の額とのいずれか高い額を限度 とする旨の契約を非業務執行理事等と締結することができる旨を寄附行為で定めることができる※1。
※1できる規定である。
4第 1 項の契約を締結した学校法人が、当該契約の相手方である非業務執行理事等が任務を怠ったこ とにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される評議員会において一定の事項を開示しなければならない。
5第113条第4項の規定は、非業務執行理事等が第1項の契約によって同項に規定する限度を超える 部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。」
私学法第46条(評議員会に対する決算等の報告)
「理事長は、毎会計年度終了後2月以内に、決算及び事業の実績を評議員会に報告し、その意見を求めなければならない。」
私学法第50条1項1号
「学校法人は、次の事由によつて解散する。
- 理事の3分の2以上の同意及び寄附行為で更に評議員会の議決を要するものと定められている場合には、その議決」