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総資本売上総利益率 X3

経営事項審査X3

 x3(総資本売上総利益率)=(売上総利益)/【{(当期総資本)+(前期総資本)}/2】×100

 ただし6.5<=x3<=63.6。

 大きいほうが評点はよくなる。

 

 考えられる方策としては、分母を小さくするあるいは分子を大きくする。

 

 まず、分母を小さくする方法としては、両建表示は極力避ける。割引手形、裏書手形、貸倒引当金、減価償却累計額そんなとこだろうか?全部決算変更届上は控除方式かな。

 

 いっぽう、分子の方は以下の方策が考えられる。

  1. 雑収入の中で売上にできそうなものは定款をよく読んで売上にする。
  2. 販売費一般管理費に属するか工事原価に係る経費かどちらでもよいような場合は一般管理費にする方向で考える。
  3. 助成金で工事原価から控除して表示できそうなものは検討する。
  4. 期中除却あるいは売却した減価償却資産については、減価償却費を計上せずに固定資産除却損あるいは固定資産売却損益を計上する。

 中でも、2について最近ある行政書士さんから指摘を受けたことに、「現場監督の人件費は、販管費でよいのではありませんか?」というものがある。

 

 調べてみると「建設業法施行規則別記様式第15号及び第16号の国土交通大臣の定める勘定科目の分類」というものがあり、その中で販管費の従業員給料手当については、「本店及び支店の従業員等に対する給料、諸手当及び賞与(賞与引当金繰入額を含む。)」となっている一方、工事原価の報告書の労務費については、「工事に従事した直接雇用の作業員に対する賃金、給料及び手当等。工種・工程等の工事の完成を約する契約でその大部分が労務費であるものは、労務費に含めて記載することができる。」とある。

 なるほど、この作業員を文言のまま作業をする人と解釈すれば、施工管理者は含まないようにも読める。いっぽう、販管費の給料手当はかなり広く読める。

  

 令和3年9月17日(金)午後2時ころに国土交通省近畿整備局と大阪府建築振興課に問い合わせたが、令和3年9月21日(火)午後1時半、国土交通省近畿整備局より回答を頂いた。

 

 回答の内容は、施工管理者の人件費については、当該人件費のうち現場に関わった部分と、事務所などでした事務作業に関する部分に分け、現場部分については工事原価に算入し、事務作業部分については販管費に算入するということらしい。

 

 至極当然な話だが、大変勉強になった。

 

 4について、期中除却した減価償却資産について償却費を計上しないことが可能か?

 

 会計的には月数按分するのが原則的な方法と思われるが、税務上は法人税法31条1項は次のように規定している。「内国法人の各事業年度終了の時において有する減価償却資産につきその償却費としてその事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する金額は、その内国法人がその事業年度においてその償却費として損金経理した金額のうち、償却限度額に達するまでの金額とする。」

 つまり、税務上は事業年度終了のときにおいて有しない資産について、減価償却費の損金算入を認めていない。同旨の判決、裁決例が存在する。

 ゆえに少なくとも税務上は、期末に有しない減価償却資産について、損益計算書に減価償却費を計上しても経費として認められない。

 なので、減価償却費は少なくとも税務上は計上してはならない。