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イングランド出身の外国語専門学校講師を高校の英語の補助教員として雇いますが、ネイティブに教員免許がなくても教員人件費として処理して間違いありませんよね?

学校会計における教員人件費とは?

 いいえ。

 

 教員人件費は、「教員として所定の要件を備えた者について、学校が教育職員(学長、副学長、教授、准教授、講師、助教、助手、校長、副校長、園長、教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭等)として任用している者に係る人件費が教員人件費とされる。

 司書教諭は学校図書館法第5条によって教諭をもって充てることとされているので、この人件費は教員人件費に該当する。」(学校法人委員会研究報告26号「人件費関係について」Q1、平成26年7月29日、日本公認会計士協会)

 

 また、学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)では、別表1の教員人件費支出の備考に「教員(学長、校長又は園長を含む。以下同じ。)に支給する本俸、期末手当及びその他の手当並びに所定福利費をいう。)」となっている。

 

  ここで公認会計士協会の委員会報告26号において「所定の要件」が何かと言うことが問題となるが、教育職員免許法第2条では、「教育職員とは学校並びに幼保連携型認定こども園の教員をいう。」とされ、同法3条では「教育職員は、この法律により授与する各相当の免許状を有する者でなければならない。」とされていることから、教員免許状が「所定の要件」の構成要件であることは間違いない。

  ここで教員とは、主幹教諭(幼保連携型認定こども園の主幹養護教諭及び主幹栄養教諭を含む。)、指導教諭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭、主幹保育教諭、指導保育教諭、保育教諭、助保育教諭及び講師である。

 

  しかし、学校教育法施行規則第20条では校長について、教員免許状を必須としない場合も規定し、また同規則23条では副校長及び教頭についても同規則20条が準用される旨定められていることから、校長、副校長、教頭については教員免許状を必要としない場合がある。

 

  また、いわゆる認定こども園法附則(平成24年8月22日法律第66号)において、保育士資格のみを有する者についても、令和2年3月31日までの間、幼保連携型こども園においては、保育教諭となることができる旨定まられている。なお、令和元年6月7日に公布された「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和元年法律第26号)及び令和元年9月4日に公布された「児童福祉法施行規則第6条の11の2第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準の一部を改正する件」(令和元年厚生労働大臣告示105号)により保育士資格のみで保育教諭になっる期間が令和7年3月31日まで延長されている。

 

  また、大阪府の学校法人会計基準の処理標準では未就園児クラスの担当者の人件費は別部門を設けて職員人件費とする旨定められている。

 

  さらに上記学校法人委員会研究報告26号「人件費関係について」Q2では、教員免許状を有する者が教員と職員を兼務する場合はそれぞれの担当時間、職務内容、責任等により主たる職務と考えられる方に分類する。

 

  したがって、上記質問に対する回答は教員事件費に該当しないとするのが妥当である。