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マンションオーナーと税務当局の仁義なき戦い3

強いものが生き残るのではない。条件に適合したものが生き残るのだ。

 次にマンションオーナーが考えた方法が、「金地金スキーム」と呼ばれるものだ。

 

 金地金スキームは、金の売買を繰り返すことにより、課税売上割合を意図的に上昇させ、居住用賃貸不動産に係る消費税の控除を認めさせるというものだ。ちなみに金の取引は、国内取引については課税取引だ。

 

 この方法も令和2年の税法改正で、1000万円未満の物件を除いて封じられた。

 

 この方法は比較的予想できた方法だった。むしろ、課税当局の封じ方に工夫が感じられる。課税売上割合云々ではなく、居住用不動産の仕入れは、1000万円未満の物件を除いて仕入税額控除の対象にしないというところにその工夫を感じる。

 

 しかし、オーナーとしては還付してもらえないなら、借主から回収せざるを得ないので、結果として経済活動に広範な影響を与えてしまった点、また規制があまりにも広範囲ではないかという懸念を抱く。

 

 次の手をオーナーたちは探すことができるのだろうか?そもそも商品そのものを規制されたのだから、もう無理かな。課税当局の執念を感じる。