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前払金 前受金 未払金 未収金の意味

前払金 前受金 未払金 未収金の意味について

会計学大辞典‐第5版によると以下のように説明されている。

 

⑴前渡金℀

 通常の取引に基づく商品、原材料、貯蔵品等の購入や製品、部品の外注加工等に関連して、取引を確実にすることを目的に財の納入に先立って支払われる手付金を処理する勘定である。これはまた前払金℀とも呼ばれる。なお、設備その他の固定資産の建設のために支払った前渡金は、建設仮勘定で処理し、前渡金勘定とは区別する。前渡金は仕入先に対する債権を示すものであるが、現金で回収されるのではなく、原則として棚卸資産として回収されるところに特徴がある。したがって前渡金を支払ったときは、前渡金勘定の借方に支出金額を記帳し、後日、当該商品や原材料等の受入が行われたときに、前渡金勘定残高を適当な資産勘定に振り替える。また、貸借対照表への表示については企業会計原則注解(注16)は、当該企業の主たる営業取引により発生した債権である前渡金は、流動資産に属するものとしている。(中條祐介先生)

 

⑵前受金℀

 受注工事、受注品等に対して、その売上計上又は引渡の前に受注先より受領した代価の全部または一部を表す勘定であり、主たる営業活動に関連して生じる確定債務であるため流動負債に属する。売渡契約での代金の前受額や予約販売での予約金受領額もこの勘定に含められるが、前者は受取手付金℀、後者は予約販売預り金℀で処理することもある。

 前受金℀は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対して支払を受けた対価である前受収益とは、後者が主たる営業活動以外の取引から生じたものであって、継続的役務提供契約に関連した経過勘定項目である点で区別される。よって、不動産業、倉庫業、映画業その他役務の給付を主たる営業目的と留守物の営業収益(不動産賃貸料、倉庫保管料、映画配給料等)の前受額は、主たる営業活動から生じるので、前受金に属する。(規則ガイドライン47‐3)(佐藤信彦先生)

 

⑶未払金℀

 材またはサービスの提供を受け、その対価として支払義務が確定している債務を表す項目であり、流動負債に属する。但し、このような債務のうち、主たる営業活動による通常の取引において生じたものについては、買掛金勘定を用いる。したがって、未払金とするか買掛金とするかは、取引形態そのものではなく、当該企業の営業活動との関係において判断されなければならない。なお、サービスの提供を継続手的に受けていてそのサービスが時間の経過とともに使用される場合の未払分については、その支払義務が確定していないならば未払費用℀で処理され、また確定しているならば未払金℀として処理される。(冨塚嘉一先生)

 

⑷未収金℀

 通常の営業取引から生じる債権に関わる売上債権ないし受取勘定と区別され、また、継続的役務提供の提供中に認識される未収収益とも区別される、それら以外の取引や契約等から生じる債権を処理する勘定である。(原則注解[注5])。商品または製品以外の物品、たとえば土地、建物その他の固定資産又は有価証券を売却した場合、またはその他営業の主目的以外の取引に基づいて発生した債権をこの勘定に記入し、貸借対照表日の翌日から起算して1年以内の入金の期限が到来するものは流動資産に、1年を超えて到来するものは、投資その他の資産に表示する(原則注解[注16])。(澤邉紀夫先生)