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建設業法施行規則別記様式第十五号及び第十六号の国土交通大臣の定める勘定科目の分類における労務費の解釈

建設業会計における国土交通大臣の定める規則

 建設業法施行規則別記様式第十五号及び第十六号の国土交通大臣の定める勘定科目の分類(以下国土交通大臣の勘定科目の分類という。)における工事原価報告書の労務費のところの摘要には「工事に従事した直接雇用の作業員に対する賃金、給料及び手当等。工種・工程別等の工事の完成を約する契約でその大部分が労務費であるものは、労務費に含めて記載することができる。」とあり、一方販管費の従業員給料手当のところの摘要には「本店及び支店の従業員等に対する給料、諸手当及び賞与(賞与引当金繰入額を含む。)とある。

 

 解釈すると労務費は作業員となっているのに対し、従業員給料手当は従業員等となっていて、従業員給料手当の方が概念として広くなっている。

 

 そこで、現場管理者の人件費がどちらに区分されるのかという問題が生じる。一般的な財務会計の考えでは工事に係る人件費は工事原価報告書の労務費とすべきとなると私は考えるが、「国土交通大臣の勘定科目の分類」では、そういう定義になっていないので、販管費に計上すべきであるとも解釈できる。

 

 また、経営事項審査上、「総資本売上総利益率」という指標があり、販管費の従業員給料手当に表示したほうが、売上総利益が大きくなるため、税額を変えずに評点をあげられる可能性がある。そこで、社長としては販管費で表示して欲しいということも考えられる。

 

 私としては、国土交通大臣がおっしゃるなら仕方がないという立場だ。