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免税業者は消費税を請求してよいか?①

税務署の見解

 令和5年10月インボイス制度が導入されようとしているが、そもそも現行法において、免税業者が消費税を請求することは認められているのか?という疑問について考える。

 

 結論から言えば、転嫁は一応認められているというのが通説的な考えだろう。

 

 理由については、消費税法や通達で転嫁が禁止されていないからという記事が散見される。

 

 しかし、消費税法はその1条で規定されているように、「課税の対象、納税義務者、税額の計算方法、申告、納付、還付の手続並びに適正な納税義務の履行を確保するために必要な事項を定める」法律なのだ。言い換えれば、国と納税者の関係を規律する法律なのである。公法である。

 

 だから、納税者がその得意先に消費税を請求するかどうかは消費税法の守備範囲外ということができる。

 

 では、なぜ、免税業者は消費税を法的に転嫁することができるのか?

 

 それは、契約自由の原則(民法521条)による。

 

 つまり、売値を決めるのも免税業者の自由ということだ。免税業者だって消費税を負担している。その分を消費税導入前の売値に乗せなければ、利益が目減りしてしまう。その売値で買うかどうかは買い手の自由ということだ。

 

 では、本体価格に消費税の負担分を乗せるのではなく、免税業者が消費税を別記して請求することは許されるのだろうか?